あの日、
エレベーターに乗り込んだ彼に
声をかけた女が私だということを
彼は気づかなかったのかな。
それとも
私だと分かってあえて
反応しなかったのかな。
彼はエレベーターの中から
一瞬私のほうを見たようだったけれど…
○*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*:.。..。
あの日、ライブが終わり駅の近くまで歩いて、大事なモノが無くなっていることに気づいた私。
来た道を戻りながら、それが落ちていないか見て歩いたけれど、見当たらず、とうとうライブ会場まで戻りました。
ダメもとでスタッフの人に尋ねると、落とし物は会場に保管されていたので、すごくほっとしました。
その後、トイレへ寄り、出ようとしたところ、彼が控え室から出てきたので、私はあまりの驚きに声も出ませんでした。
「これって、幻?」
と思い、足がすくんでしまいました。
やっとの思いでエレベーターのほうへ行き、やがて来たエレベーターに乗り込んだ彼に向かって、
「◯◯さん、****おめでとうございます」
と声をかけました。
ところが、彼の反応は……
私は固まってしまい、心の中で
(えーーーー!!!)
と叫びながら、閉まるエレベーターを見つめていました。
ショックで頭が混乱しました。
ただ一言「おめでとう」を言いたかっただけなのに…
私、彼に嫌われちゃったのかな?
○*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*:.。..。
すごく凹んで家に帰ってから泣きました。
でも、あることに気がつきました。
今回、私は初めて彼に直接
「おめでとう」
って言えたんですよね。
昔のことになりますが、
彼と出会った当時、おめでとうを言いたかったけれど、直接言えるチャンスがなくて、その後しばらくして距離ができてしまった2人だったので。
心の中で「おめでとう」って言うより、やっぱり相手に直接言えるほうが何倍もうれしいです。
だから今回言えたこと自体は、
喜ばしいというか良かったのかもしれないなあと。
そう思うことにしたら、
気持ちが少し落ち着きました。
いつか2人の間の謎が解ける日が
来ることを願っています。